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vol.289 「ところで」はベトナム語で??

geralt / Pixabay

「ところで」はそれまで述べてきた事柄から離れ、別の話題に変える時に使う接続詞です。

その「ところで」はベトナム語で何ていうのでしょうか?

辞書的な意味は“nhân tiện”や“tiện thể”

「ところで」を辞書で調べると“nhân tiện”もしくは“tiện thể”などと出てきます。

nhân tiệnやtiện thểは本来「〜のついでに」という意味で使う接続詞です。

(例)

  • Anh đi chợ nhân tiện mua hoa quả nhé.
    市場に行ったついでに果物買ってきてね。

そのnhân tiệnを文頭に置くと、話題転換する「ところで」のような使い方をすることができます。

(例)

  • nhân tiện, anh ấy đang làm việc gì?
    ところで彼は今何の仕事をしてるの?
  • nhân tiện, ba em khỏe không?
    ところでお父さんは元気ですか?

上の例のようにnhân tiệnを最初に置くと、前の話題の「ついでに」別のことを聞くことができます。

そうすると結果的に話題が変わるのでこの場合のnhân tiệnは日本語の「ところで」のような意味になります。

ちなみにnhân tiệnは漢越で【因便】と書きます。【因】は「〜に乗じて、きっかけ」、【便】は「都合、ついで」という意味です。決して汚い意味ではありません。

ただ実際は…

nhân tiệnは確かに「ところで」という意味で使ってもいいのですが、これはいかにも教科書的であまり実践的ではありません。

実際にトマトもベトナム人と会話しててnhân tiệnをほとんど聞いたことがありません。

そこで日常会話でもっと頻繁に使われる話題転換の単語を紹介しましょう。

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感嘆詞“à”や“a”を使う

実は感嘆詞のàやaを使っても話題転換を表すことができます。

感嘆詞とは日本語の「おや」「おい」「うん」「さあ」など感動、応答、誘い、呼び掛け等を表現し、文章中に単独で存在することができる言葉のことです。感動詞、間投詞とも言います。ベトナム語ではcảm từ【感詞】と言います。

感嘆詞のàやaは突然何かに気づいたり思い出した時などに発する言葉で、前の話題とは別の事柄に変える時などにも使えます。

つまりこのàやaに話題転換の「ところで」の意味が含有されているのです。

(例)

  • à, công việc mới của em thì sao rồi?
    あー(そうだ)、君の新しい仕事はどうなった?
  • a! em đã đi Osaka bao giờ chưa?
    あぁ(ところで)、大阪にはもう行った?

このàやaはベトナム人も日常会話で頻繁に使うのでかなり実用的です。ぜひ覚えておきましょう。

ちなみに感嘆詞のàは〈気づき〉以外にも相手の言ったことに対して、〈理解、納得〉する役割もあります。

àひとつとっても様々な表現を持つことに注意しましょう。

まとめ

「ところで」は à,やaで十分!